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インタビュー

千住真理子インタビュー:最終回

千住真理子本人インタビュー、最終回となる第3回では、より深く音楽への想いについて語っていただきました。

ぜひご覧ください。

<最終回>

ー後半は主に演奏のことについてなどお伺いしたいと思います。
コンサートとレコーディングの違いはありますか?

コンサートとレコーディングは全く違うものですね。
演奏会は、本当に一期一会であるし、瞬間芸術であるし、その場に集まった人と、瞬時消えてしまう音を、いかに私の心から相手の心に到達する距離を縮めるかというのを最大の目標として弾いています。
そのときにしか持ち得ない想いや感情、一種の告白、本音の告白ですね。
レコーディングというのは、OKが出たテイクは永遠に残るわけですね。自分の出した音がその瞬間に冷凍保存というか、永遠にその形を留める。コンサートと違ってなくならないんですよね。瞬時に音がなくならない、永遠に残るっていう、この恐ろしさ。
これはもう、祈り、です。
人生の祈り、人としての祈り、神の前に音を奏でる祈り、ですね。

最初にレコーディングした時に、本当に、その恐ろしさに身体中が震えて、音が出せなくなりましたね。
どの音も違う、どう弾いても私の「永遠の音」ではないと思うと、弾けなくなってしまうんですね。
今、目指していることは、できるだけ「無垢」になるということだけです。いろいろ考えちゃうと、雑念の音しか出ないんですよね。
そうすると、その時はこれでいいに違いないと思っても、後で自分の音を聞くと、その雑念だらけの音に嫌気がさす。
だからいかにして自分が「無」になって、「無垢」の音を出して、それが一番自分がいいと思えるか、ですね。

ーそういう意味では「無伴奏」が自分らしい音を出しやすい?

共演者がいない、という意味では良くも悪くも「濃縮された自分」。その濃縮の自分が出るという、いい意味での覚悟ができます。
共演者がいると相手とのタイミングもあるし、息を合わせながら最高の瞬間を作っていく難しさはあるけれど、無伴奏はやっぱり自分だから、そういう意味では、実は好きなんですよね。

ー今後、やりたい曲などはありますか?

いろんな方向に幅を広げていきたいですね。
無伴奏もまだ弾いていない素敵な曲がたくさんあるし、ヴァイオリンをやる子が小さい頃みんな弾くような曲もやってみたい。
本来ヴァイオリンで弾く曲ではないけれど、みんなが「聞いたことのある曲」を発掘して自分でアレンジするのも、喜んでいただけるのかなと。
あと、オリンピックも目前なので、そういう意味でも、いろんな方向に今考えが及んでいます。

ー2020年、オリンピックの年にはプロデビュー45年ですね!

もう、言わないほうがいいのかなっていうくらい!
あっという間ですよ。ますます体も鍛えないと。
筋肉って、やっぱり、放っておくと、どんどん衰えますね。
だからこそ、いろいろスポーツをやっているんですけど、ちょっとでも怠るとすぐに落ちますね。
スポーツして、お肉を食べて、というのを気にしながらやっていると、身体の調子も指の動きもいいですね。集中力もいいし。

ーでは最後に、ファンの皆様に一言お願いします。

ぜひ、生演奏を聴きにして欲しいですね。
演奏会は違うと思うんですね。一期一会のその瞬間にしか味わえない、そして瞬間で消えてしまう音というのを
ぜひ体感しに来て欲しいというのは、ものすごく思います。

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ニュース一覧

コンサート情報を更新しました(2018年7月)!

7/15 大阪公演が決定いたしました。

詳細はコンサートページにてご確認ください。

2018年7月
http://marikosenju.com/concert/201807/

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インタビュー

千住真理子インタビュー:第2回

千住真理子本人インタビュー、第2回では、お正月にふさわしい(?)健康管理のお話などを語っていただきました。

ぜひご覧ください。

<第2回>

ー前回のお話では、自分の体を強くするというお話もありましたが、健康管理で気をつけていることは?

食事としては、多くの方がご存知かもしれませんが、生卵を毎朝3つ丸呑みする(笑)。未だにやってますね、これはずっと続いてます。
演奏直前に必ずやっているのは「ハチミツを飲む」。上向いて、こうやって「ガーッ」と飲むんですけど(笑)、それをすると頭がはっきりして良い状態になって。
だから、卵とハチミツ。
あとは、「肉」ですね。牛が中心で、豚、鶏、ものすごい量食べます。1回での最高は450グラム!

身体的には水泳は必ず、週に2~3回。1回に少なくても400~500m、多い時は1km以上泳ぐこともあります。前までは、平泳ぎしか得意じゃなかったんですが、どうやらクロールが肩には良いらしい、と聞いて。去年の初めから始めて、50m位しか泳げなかったのが500m位いくようになりました。今年の目標は、クロール1kmです。
あとはウォーキング、ヨガ、ピラティス。ジムでダンベルや、加圧トレーニングもやっていますね。

ーすごい(笑)。凝り性なんでしょうかね?

そう(笑)。
もうね、兄からは「真理は本当にやるとなったらとことんだから、やめろやめろ」というのはしょっちゅう言われていて。食べるのも早すぎるしって言われるし。
ただ、私は兄たちの言うことは、なぜか本当に聞こえないんですよ(笑)。周波数が合わない(笑)。どうしてもこうね、抜けちゃうんですよね、不思議なことに。

ーワインも飲まれますよね?

今は弱くなりました。20-30代は、いくら飲んでも酔えなくて「みんな酔うっていうけど、どうやったら酔うんだろう」って(笑)。1日3本でも4本でも平気だったんですよ。
今でもワインは大好きで、演奏会あとは自宅でテレビ見ながらゆっくり飲むのが唯一の楽しみですね。でも昔のような暴飲はやめてますよ。第一ワインに失礼(笑)。
今はせいぜい、ボトル半分ですね。もっと自分を抑えれば、グラスに2杯くらいかな?
最近はあっさりしたものも好きになって、白やシェリーも好きになって。変わりましたね。焼酎なんかも好きになって。
今はボジョレーなんかも好きです。


最終回は、1月末掲載を予定しています。
お楽しみに!

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Interview

2018 New Years’ Interview with Mariko Senju : #02

In this Interview Part 2, we have asked about how she keeps fit to carry out her best performances.

<Part 02>


ーIn Interview Part 1, you told us about your efforts to charge energy to play the “Duranty”.
Could you please tell us how do you actually keep fit in your daily life ?

I think many of you might know already, that my specialty is, I take 3 raw eggs every morning for maintaining a healthy body! I am still doing this. Also, just before concert performances
I drink honey. I just look upwards and take it from the bottle. With honey, I feel that my brain refreshes. So, it is raw eggs and honey for me. I also like eating a lot of meat, mostly beef then
pork and chicken. I eat quite an amount. The biggest portion I ate at once is 450 g !

I go swimming about twice or three times a week and swim at least 400 – 500 m, and more than 1 km when I can. I was able to do only breast strokes before but have learnt to freestyle (crawl) as I heard that it is good for your shoulders. I started freestyle from the beginning of last year and at first was only able to swim 50m but now I can go for 500m.
My next target for this year is to swim 1 km in freestyle.

I also go walking, do Yoga and Pirates, go to the gym and do dumbbells, and also pressurized muscle training.

ーWow, that is a lot ! You must be an enthusiast.

Yes, my brothers always keep saying “Mariko, you are too enthusiastic about everything. You should stop doing them too hard.” and also “You eat too fast, you should slow down!” but somehow my brothers’ words don’t get to me. It goes straight out through the other end of my ear. The frequency does not seem to match. (laughing)

ーYou also like drinking wine ?

I am getting weaker with alcohol now. In my twenties to thirties, I was able to drink endlessly , I could drink for ever if I wanted to, like 3 to 4 bottles in a day.
Now, drinking wine and relaxing, watching television after a concert is about my only pleasure which I really look forward to. But I don’t drink as before. It is impolite to the wine. (laughing)
Nowadays I can only drink half a bottle or about 2 glasses . I love lighter stuff too, like white wine and sherry. I even drink Shochu. I have changed quite a lot. Also like Beaujolais.

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ラジオ

<メディア情報:ラジオ>1/19 NHK-FM DJクラシック

NHKFM 
DJクラシック「千住真理子の恋するバイオリン」
2018年 1月19日(金)21:10~22:00   
テーマは、「新年の祈りをバイオリンにのせて」 です。
ご期待ください。

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雑誌・新聞

<メディア情報:雑誌>夕刊フジ

1月15日(月)の夕刊フジに千住真理子「私を感動させた1冊・三浦綾子著『続氷点』」が掲載されます。

是非ご覧ください!

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Interview

2018 New Years’ Interview with Mariko Senju : #01

 
We are pleased to inform you that we will be posting interview in 3 parts, in the new year.
In this first part, we have asked Ms. Senju about her days with her violin, “Duranty”.

<Part 01>

ー15 years have passed since 2002, your fateful encounter with your violin “Duranty”.

To be honest, I cannot believe that 15 years have passed already!
I still have that sensational feeling and excitement from when I actually met “Duranty” for the first time. I couldn’t believe that “Duranty” was with me and had to go and check if the instrument was still actually there and I was only relieved after checking the existence in my room.

Now, the instrument is really in a good shape. But in the first 5 years, it was really a difficult time. I couldn’t control it and first when I woke up in the mornings and started playing, the sound really didn’t open up or wake up and only after playing for 7 to 8 hours, it started awakening but I would be too exhausted by then. I really had to work myself to the bone , even for concerts. So, I decided to change myself to confront with the instrument and thought about how to build strength and energy and shape my body towards it, changing everything, actually.

ーWas it so hard until you got used to it ?

Yes, I tried out almost everything that I could think of. I tried out and changed the hair of the bow, changed the rosin, tried out different strings . I was trying to find out what the instrument was requiring from me, and tried out playing hard, playing soft and making various adjustments with the instrument and also the environment like room temperature and humidity. Before “Duranty”, I used to use shoulder rests once in a while, but with “Duranty” , I realized that the shoulder rests somehow took away the beautiful sound of the instrument so I stopped using it. It is easier to play with a shoulder rest but I could not take the risk of spoiling the sound. It also didn’t work with a handkerchief between my chin and the violin.
I really concentrated in making it sound at its best.
After a while, I got used to the instrument and it gradually opened up to me. I started picking up and understood the characteristics of “Duranty” and we both came closer with each other.
I think I had changed during the course. As a result, I changed the bow three times. I actually had this piece I wanted to play and the exact bow appeared at the right timing. It was like that “Duranty” was calling the bows to come to us. Bows are also really expensive so I had to take out a loan each time which made my life harder. (laughing)

ーYou will still have another 20 or 30 years with “Duranty” ahead of you.

Indeed !
I do think that there still will be many changes during the course.
It still changes in seasons and I don’t know how it is going to change or develop but I will sure be adjusting to the changes by developing my performance style and expression.
I am learning a lot from the instrument, it guides me and teaches me all the time.

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インタビュー

千住真理子インタビュー:第1回

2018年、新年あけましておめでとうございます。
新しい年にふさわしく、千住真理子本人インタビューを掲載!
全3回となる第1回では、運命的な出会いから15周年を迎えたデュランティへの想いを語って頂きました。
ぜひご覧ください。

<第1回>

ー2002年のデュランティと運命的な出会いから、昨年で15周年を迎えました。

15年経ったというのが信じられないというのが正直な感想なんです。つい昨日のことのような衝撃的な出会いの驚きと興奮、いつまでも信じられない、嘘なんじゃないかと楽器を確かめに行って「あ、本当にあるんだ」という実感を覚える、という状態が今も続いているんですよ。
楽器の状態も、今はいい状態になりました。
初めの5年位までは、苦労しましたね。コントロールできなくて、朝起きてから弾き始めた時は、音が、なんていうんだろう、「開かない」感じ?
7~8時間弾くとやっと開いてくるんだけど、その頃には私の体がボロボロ、なんとか自分の体に鞭打って弾くという状態で。本番の時もそうしないといけないのが辛かったですね。なので、どうしたら自分の体を強くできるかというのを考え始めたし、そういう意味では自分の体をデュランティ用に改造しなければいけない、全てをデュランティのために変えていきました。

ー慣れるまでは大変でしたか?

あるとあらゆる実験と努力を重ねました。弓の毛、あるいは弓の毛につける松ヤニを変えてみたり、ヴァイオリンに貼る弦を変えてみたり。何を要求しているんだろうと、強く弾いてみたり弱く弾いてみたり、楽器の調整や温度湿度だとか、ありとあらゆることを試しました。
楽器につける「肩当て」を、以前は私もつけたりやめてみたりしてましたが、デュランティになって肩当てをつけると、なんと、デュランティの美しい特徴的な音色がなくなってしまうことがわかり、外しました。肩当てをつけると弾きやすいのですが、これも仕方ないことです。あごのあたりにハンカチをあてて挟むのも、音が変わっちゃうのでやめたんです。とにかくデュランティがより良い音色で唄えるように…。
それでだんだん楽器の方も心を開いてくれて、私の方も少し楽器に慣れてきて、お互い歩み寄りながら、私が楽器の個性というか特徴を少しずつ体感していったというか。多分、私自身が変わっていったんだろうと思いますね。弓は結果として3本変えました。3本とも、まるでデュランティが自ら引き寄せたような、「これでなくてはならない」という曲が出てきて、「これでなくてはならない」という弓がそこに現れて、買わざるをえないような状況になりましたね。弓といえども高価なので、その都度ローンの連続で、苦労しましたね(苦笑)。

ー20~30年と今後も付き合いは続きますよね。

まだまだね、変化があると思うんですよ、まだデュランティの音色が季節ごとに変わっているので。これからどのくらい変わるか分からないけど、そのたびに、演奏スタイルや表現の仕方も変わるんだろうと思います。楽器に教えられて弾いているようなところがあって、誘導されたり指導されたりしながら、学んでいくということが多いですね。


第2回は、1月中旬掲載を予定しています。
お楽しみに!

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お知らせ:新年インタビューを実施しました!

千住真理子本人インタビューを行いました!

2018年に掲載予定です。
お楽しみに!

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コンサート情報を更新しました(2018年3月)!

3/4 川崎公演が決定いたしました。

詳細はコンサートページにてご確認ください。

2018年3月
http://marikosenju.com/concert/201803/