60代で、生まれて初めてのことってそんなに無いと思う。
私にとって、今までの人生で未経験なのはコンタクトレンズ。
装着したことがないから、怖くて考えられない。
だからコンタクトレンズを付けてみるなんてことはとてもとても貴重な体験なのだ。ドキドキしちゃう。
そもそも私は視力がとても良い方だったので、眼科にもいったことがなかった。
それが逆に今となればマイナスなんだ。
目が悪くなればメガネをかけなければ良く見えない。スマホや雑誌の文字や、楽譜の音符が五線紙のどの場所にあるか、およそ見当を付けて勘で読むしかない、なんて危険すぎる。仕方ないからメガネをかけるが、これもなれてないからとても気になる。メガネをかけるフレームの範囲でしか世の中が見えない気がして、視界が狭くなるような感覚になってしまう。
メガネをかけたり外したりを頻繁に行うことが日課になってくるものの、外したメガネをどこに置いたかわからなくなるので、百均で購入したメガネをいたるところに置いておくことにする。が、そのうち、いたるところに置いたはずのメガネが、ない。どこ探してもない。何故ないか?ウロウロ探しながらふと、おでこに違和感を感じて手で触ってみると、おでこにメガネか2つ‥‥。そのまま探すと更にハンドバッグに2つ‥‥。
独りで苦笑。
メガネを忘れて外出した際には、アウト!
読めない、わからない、人に聞くしかない。
レストランなどではメニューがよく見えないので、その日のおすすめを!とボーイさんに笑顔で伝える。
オーケストラとのリハーサルの時にもとても困る。
順調にリハーサルが進んでいても、指揮者が『ここからもう一度弾いてください』と言われ、指揮台の楽譜を見る。指揮者が楽譜の1箇所を指で指し示してくださっていても、ぼやけて見てない。勘で『このメロディ?』と弾いて見ても、いやいやここです、と改めて指し示してくださると、正直に見えませんと言うしかない。
流石にこれでは困るなあ、と眼科へ。
友人のとても優秀な眼科医へ相談に行くと、様々な方法を話してくれたが、いっそのこと手術してレンズを入れてしまうか、とせっかちな私は考えてしまう。医師のN子は冷静で聡明で穏やかな口調で、頭から反対はしないものの少しずつ私の気持ちを緩ませてくれる。
いきなり手術!と言い出した私をそっと誘導するように、次の診察日に検査から入ると、看護師さんが「試しにソフトコンタクトレンズ入れて見ましょうね」と。
わー、怖いんです、初めてなので、と言うと、にこやかに「そうですよね、大丈夫ですよ、まずは私が入れて差し上げますね」と。
装着してもらう。目をぱちくり瞬きしてみる。あ、大丈夫だ。なんか本当にレンズはいってるのかな?入ってないみたいに自然!
しかも見える。見える!スマホも雑誌の文字も読めてしまう!すごいなあ!
そんなわけでしばらくソフトコンタクトレンズを試してみることにした。
N子医師は「でしょ。それなら手術などまだまだしなくて良い!ソフトコンタクトでしばらく試して見て」と。
果たして翌日、自分で装着を試みる。
わー、怖い!難しい!第一に眼に指を近づけて触るなんて。私には無理かもしれない、と半分心が折れかかる。
結局30分かかって、やっと片目が装置完了。
〜なれるまてがたいへんだなあ〜
さらに翌日、怖さを考えず、腹をくくって?トライ。5分で完了!ヤッター。
60代で初めての経験、成功がこんに嬉しいなんて、なんと、爽やかな朝!!