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Essayエッセイ

エッセイ「心の音」

2025 年 6 月
新著書『続ける力』

ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスのK氏から「50周年に向けて本を書きませんか?」とお話をいただいたのは去年の秋口だったように記憶している。
しばらくまとまった本を出してないので、そう言えば書きたいこともあるなあ、と有り難くお話しを頂戴して、書かせて頂くことになった。
はてさて、何をどのように書こうか。ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスから前回出した本は『バイオリニスト20の哲学』と題して<一生懸命では生ぬるい!>という副題をつけたものだった。この副題がちょっとした話題になったようで、一生懸命じゃ生ぬるいのですか?とインタビューで頻繁に質問されるようになった。
「一生懸命のもう一歩先に見たことのない景色が広がっているのですよ」という説明を、様々な角度からお話しすることに心を砕いてきた。そもそも『一生懸命』って、人それぞれの自己判断だと思いませんか?もう限界!というその先までやってみた方がいい、という私なりの提案をしたつもりだったのだ。
さて、それでは今回、ヤマハから出す本の第二段は、一冊目を踏まえての本にしたいと思った。一冊目を読んでくださったことを前提にして、ダブった内容はあえて省くことにした。(なので一冊目『バイオリニスト20の哲学』をまだ読んでない方は、是非お読みいただきたい〜)
今回のテーマは『頑張りすぎないで』という、あえて一冊しかのテーマとは逆のようなことを書いていくことにした。しかし逆なのではない。全く矛盾しないのだ。その時期年齢に即して、やるべきことがある。やらなくていいこともある。
私自身が身をもって経験してきたことを軸に、年代によっての提言、もまとめておくことにした。
そんな気持ちが固まり、書き始めることにした新著書。
デビューして、ステージ上での我が人生が50年。K氏は「例えば50年もヴァイオリンを続けてきた、その原動力ってなんでしょう?」とヒントをくださった。
嗚呼、確かに50年、そんなに長くやってきたのかという実感もないまま今まで走って走って、途中で転んで大怪我をして、また走って走って、、ここまで来た。
そもそも私は日常生活においても「ゆっくり歩く」ということが出来ない。それは決して良いことだなんて思っていないのだが、気がつくと小走りに、時にダッシュしたりして、とにかく走っている。
「生き急いでるのか?」と他人に問われたことがある。その時は「あら、やだ、じゃあ早死にしてしまうのかしら?」と思ったが、今60代、とりあえずまだ元気だ。
そもそもは「いつ寿命が来ても後悔しないように」と思いながら生きているから、歩く時間がもったいないと感じているのかもしれない。
そんなで、50年ヴァイオリニストで生きてきている、その原動力を自ら分析しつつ、本に書いて行こうと決めた。
そして書き終えた『続ける力』
何か専門のことを成し遂げようとしている方だけでなく、『生きる、行き続ける』ことを考えてみたくなったり悩みを抱く方にも、本の中で私と語り合いませんか?
老若男女、10代からご年配の方々まで、多くの皆様にお目通し頂ければ、こんなありがたいことはない。


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