1. Home
  2. Essay
  3. 年末年始

Essayエッセイ

エッセイ「心の音」

2023 年 1 月
年末年始

年末年始はあっという間に通り過ぎていく。
コンサートの様々な行事がある年、ない年、いずれにしても忙しない。
世の中の皆様は年の暮れを故郷で過ごしたり、旅行やレジャーに出かけたりして過ごす方が多いのだと思うが、私の場合は皆様と違うように思う。
オフの日、つまり何もない日、そういう自由な時間が持てる日が何日か続く時に、旅行にでも行けば気分転換になりそうにも思うが、一番の贅沢は家にいることだと私自身が感じてるのかもしれない。とにかく旅行よりも家、がいい。時間が欲しい。
友達に誘われて小旅行をすることがあっても、それはそれでとても楽しいのだが、かといって自ら何かを企てることはない。今度はあそこに行きたい、とかそう言うのが、ない。
今日は一日中ウチに居られる、と思うとソワソワしてきて、何も手につかない程だ。変だけど。
まる一日、何もない日をいかに有効に過ごそうかとあれこれ考えウキウキする。
考えあぐね、あーでもない、こーでもないと思いを巡らしているのも楽しいし、そのうちにどんどん時間が過ぎていく。わあ、大変、大切なオフの時間の午前中がもう終わっちゃった!と、なんか焦る。と同時にお腹が空いて、何が食べながら後の時間をどう過ごすかきんがえようと思う。
食べれば食べるで眠くなり、うとうととお昼寝をする幸福感!寝るつもりがなくて寝てしまう時の気持ち良さ!そして目が覚めるともう夕方だ。オフだからといってヴァイオリンを全くさらわないわけではないし、練習というよりもとにかくヴァイオリン用の筋肉が萎えないように維持するために弾くことは必要だ。ひとしきり練習した後、さて世の中はどうなってるかとテレビをつけてニュースを見ながら、あとは泳いでこようかなとか、お買い物があったなとか、再び気忙しく、何もしてないのに何故か忙しい。
そして、あーあ、一日終わっちゃった、と、、、、。

1〜2週間の長い時間仕事のない時があったりすると、そんなときにも、やはりソワソワしてしまう。まとまってコンサートがないなんて時には何でも出来るのだから、それこそ旅にでも出れば良いのに!と友達に言われるが、旅=演奏旅行の刷り込みが強いので、旅そのものを休みたい。
だから、ウチに居たい。
何をしよう、何をしてもしなくても良いしどこかに行かなくても良いなんて、なんと贅沢なことだろうと嬉しくなる。
部屋の片付けもしたい、楽譜の整理もこのチャンスだ、たまにはお料理を楽しもうか、大掃除も良いな、何にもせずにボーッと過ごすなんてどうだろう、、、。
あれこれ考えてるうちに時間は過ぎていく。
週間スケジュールを書いてみる。
いつもの癖で、結局はタイトスケジュールを組んでしまう。あらら、これでは意味がない。せっかくのオフなのだから、オフらしく過ごしたいと思っては、いるのだ。
つまり、私はゆったり過ごすのが下手なのだ。走り回って次から次に用事をこなして達成感を得たり、練習スケジュールをこなしていくことのほうが気分良い。そんな日の夜のお風呂、その後のワインタイムが一日の終わりらしくしっくり来る。
ということで今年も新年が明け、時間がどんどん過ぎて行き、早速始まるコンサートの様々な曲目を練習することに爽快感を感じている。