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Essayエッセイ

エッセイ「心の音」

2020 年 7 月
Instagramデビュー

ガラケーを、やめた!
ガラホも、やめた!
敗北感を背負いながら、私はスマホに手を出してしまった。
なんということだ、と自分自身を恥ずかしくさえ思う。
しかし。

理由はいくつかある。
コロナ禍での交流手段としての端末。自粛生活の中で、買い物や食事の宅配など、スマホにおけるサービスが中心になってしまっていた疎外感。更に、緊急情報の発信を受信する手段としてのスマホ。
そして何より、時間、である。
スマホに切り替えるための心の切り替えに、時間が必要である。理解するためにも、使い慣れるためにも、一つづつ学習して覚えていくためにも、時間が必要なのだ。
普段、演奏会が月に何回も、または十何回もある時には、演奏だけに集中したいがために、そのほかの一切合切、切り捨てで生活している。そんな時には、スマホに切り替えようなんていう気持ちにもならないし、決心もしない。
幸か不幸か、時間がある。
何しろ三月から夏まで、コンサート全て中止、延期で、時間ができてしまった。
毎日練習もするし、自炊も慣れてきた。それでも本番が無い分、余力がある。
スマホに、かえました〜!

ってことで、なんと生意気にも、インスタデビューしました〜!
スマホの使い方も少しずつすこーしづつ、歩を進めている段階だ。
コロナ前後に、変化すべき事と変化してはいけないことがあると思う。
音楽、中でもクラシック音楽は数百年の歴史を持つ。人類にとって必要だから残ってきた。
心という見えないもの、音楽という見えないもの、優しさという見えないもの、思いという見えないもの。
見えないものこそ、大切なんだ、とは、星の王子さまが私たちに教えてくれたことだったんじゃないかな。
一方で、この社会の変化に対応できるツールを持つことも必要だなあと、自分自身が変化すべき部分を素直に受け入れていこうとも感じた。
コンサート会場で、ストラディバリウスの、デュランティの、この音色に包まれていただきたい思いはこみ上げるばかりだ。
インスタで、より皆様の身近に千住真理子を感じていただくために、一歩づつではありますが、どうぞよろしくお願い致します!


★千住真理子 公式Instagram
https://www.instagram.com/marikosenju/