千住真理子インタビュー:第1回
2018/1/1 UP
2018年、新年あけましておめでとうございます。
新しい年にふさわしく、千住真理子本人インタビューを掲載!
全3回となる第1回では、運命的な出会いから15周年を迎えたデュランティへの想いを語って頂きました。
ぜひご覧ください。
<第1回>
ー2002年のデュランティと運命的な出会いから、昨年で15周年を迎えました。
15年経ったというのが信じられないというのが正直な感想なんです。つい昨日のことのような衝撃的な出会いの驚きと興奮、いつまでも信じられない、嘘なんじゃないかと楽器を確かめに行って「あ、本当にあるんだ」という実感を覚える、という状態が今も続いているんですよ。
楽器の状態も、今はいい状態になりました。
初めの5年位までは、苦労しましたね。コントロールできなくて、朝起きてから弾き始めた時は、音が、なんていうんだろう、「開かない」感じ?
7~8時間弾くとやっと開いてくるんだけど、その頃には私の体がボロボロ、なんとか自分の体に鞭打って弾くという状態で。本番の時もそうしないといけないのが辛かったですね。なので、どうしたら自分の体を強くできるかというのを考え始めたし、そういう意味では自分の体をデュランティ用に改造しなければいけない、全てをデュランティのために変えていきました。
ー慣れるまでは大変でしたか?
あるとあらゆる実験と努力を重ねました。弓の毛、あるいは弓の毛につける松ヤニを変えてみたり、ヴァイオリンに貼る弦を変えてみたり。何を要求しているんだろうと、強く弾いてみたり弱く弾いてみたり、楽器の調整や温度湿度だとか、ありとあらゆることを試しました。
楽器につける「肩当て」を、以前は私もつけたりやめてみたりしてましたが、デュランティになって肩当てをつけると、なんと、デュランティの美しい特徴的な音色がなくなってしまうことがわかり、外しました。肩当てをつけると弾きやすいのですが、これも仕方ないことです。あごのあたりにハンカチをあてて挟むのも、音が変わっちゃうのでやめたんです。とにかくデュランティがより良い音色で唄えるように…。
それでだんだん楽器の方も心を開いてくれて、私の方も少し楽器に慣れてきて、お互い歩み寄りながら、私が楽器の個性というか特徴を少しずつ体感していったというか。多分、私自身が変わっていったんだろうと思いますね。弓は結果として3本変えました。3本とも、まるでデュランティが自ら引き寄せたような、「これでなくてはならない」という曲が出てきて、「これでなくてはならない」という弓がそこに現れて、買わざるをえないような状況になりましたね。弓といえども高価なので、その都度ローンの連続で、苦労しましたね(苦笑)。
ー20~30年と今後も付き合いは続きますよね。
まだまだね、変化があると思うんですよ、まだデュランティの音色が季節ごとに変わっているので。これからどのくらい変わるか分からないけど、そのたびに、演奏スタイルや表現の仕方も変わるんだろうと思います。楽器に教えられて弾いているようなところがあって、誘導されたり指導されたりしながら、学んでいくということが多いですね。
第2回は、1月中旬掲載を予定しています。
お楽しみに!